尾身茂著『WHOをゆく』(2011年、医学書院)を読了。
政府専門家会議の副座長として、緊急事態宣言下では、毎週のように記者会見に登場していた尾身茂先生が、WHO西太平洋地域事務局長として、ポリオの根絶やSARSの制圧に対応した際の様々なエピソードなどが紹介されています。
尾身先生を評して「世界が仰ぎ見る感染症のスペシャリスト」という言葉が別の専門家からのコメントで聞かれました。COVID–19に直面した私たちも、感染症について様々に学んだわけですが、尾身先生はその100周くらい先を行っている存在なんだなと、この本を読んで感じました。
下記の画像、春先に報道でたびたび紹介されていたグラフですが、これも2011年の本に載っているのですから。
4〜5月にかけて、世界的に見たら“緩い自粛”でありながらも一定の効果を上げられた大きな理由のひとつは、尾身先生(さらには西浦博先生、押谷仁先生ら)をはじめとするエキスパートたちの、要所を押さえた効果的な提言があったからだろうという思いが、この本を読みさらに強まりました。