東京吹奏楽団第67回定期演奏会

東京吹奏楽団第67回定期演奏会「温故知新Ⅱ」 コンサート

東京吹奏楽団第67回定期演奏会@東京芸術劇場、聴いてきました。

指揮は、汐澤安彦先生。「20世紀のマエストロ」の風格を漂わせる汐澤先生の音楽と、メンバーが大分若返った、令和の東吹 が奏でる魅力的な音とが重なり合って、何とも形容しがたい強い感銘が残る演奏会となりました!

若い世代の人は、汐澤先生のことをあまりご存じないかもしれません。20世紀に吹奏楽CDのコーナーに行くと、かなりの割合が「汐澤安彦指揮」によるものでした。
20世紀後半のわが国吹奏楽の発展を“プロ側から”支えた存在といえるように思います。

今日は、腰の調子が良くないとのことで、座っての指揮。珍しく譜面台も置いてありましたが、曲中はほとんどめくっていませんでしたね。

個人的に印象的だったのは《ローマの松》。各声部の響きがクリアでありながらも重厚感もあり、バンダが加わる最終盤での高揚感は実に感動的でした。

アンコールは“いつも通り”4曲。《ティコティコ》《エルクンバンチェロ》と、ラテンを2曲混ぜてくるあたり、そして《エルクンバンチェロ》でもバンダに演奏させるあたりも、「汐澤ワールド」でした!

誤解を恐れずに言えば、例えば、ラテンやマーチでもところどころで rit.をかけるような演奏は、令和の今となってはスタンダートではないのでしょう。でも、20世紀からの歴史の積み重ねの上に今の音楽/吹奏楽があることも、また当然の事実です。

その両者が見事に融合した今回の演奏会、聴けて本当に良かったです!

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