孫玉芳先生(四川省成都)
器楽と吹奏楽指導に携わった初期から、多くの先輩や先生方の口からJapan Band Clinic(JBC)やMidwest Clinicはについて何度も耳にしていました。音楽業界での経験を重ねるにつれ、この種のイベントに参加することへの憧れがますます強くなりました。
ヤマハ楽器音響(中国)投資有限公司の招待と成都意林公司の手配の下、長年憧れていたJBCへの旅が実現しました。今回のJBC訪問の主な目的は、中日のスクールバンドの差異、教育システムの違いを実際に見ること、そして日本各地の先生方との交流を通じて、自己改善の方法や優れた経験を探ることでした。
JBCの全行程を通じて最も印象に残ったことは、中国と日本の音楽基礎教育の違いです。日本のスクールバンドは音楽の基礎知識が深く浸透しています。中国国内のバラバラな練習に比べても、各学生の音楽基礎知識が豊富であり、歌唱、ダンス、リズム運動などの要素をスムーズに吹奏楽活動に取り入れてることを感じます。ウォームアップの方法はとても充実していて、楽器を吹くことばかりを重視するのではなく、体操や歌唱、牛乳パックを用いてのブレス練習などを通じて身体的記憶を訓練し、音楽のイメージを深めています。科学的な方法を取り組みやすい形で体現し、児童・生徒たちに楽しさ感じさせ、退屈させないようにしています。吹奏楽活動自体が、児童・生徒たちの音楽基礎教育の一部として、音楽教育の多様性を見事に体現しています。これこそが、スクールバンドにおける日中間の最大の違いです。
毎週の活動時間に関して、日本の小学生は、私が指導している児童たちよりも倍ほどの練習時間があるようです。しかし、私が見る限り、練習時間がレベルの違いの主な原因ではなく、もっと重要なのは児童・生徒たちの学習効率だと感じました。今回、短い時間で小グループに分かれて自主練習し、数分で討論を終え、目的を持って自主練習を始める姿など、日本の子供たちの自主学習能力の高さを目の当たりにし感心しました。周囲の環境に影響されることなく、ほかの児童が近くで活動していても集中しています。これは中国国内の学生ではなかなか見られない光景です。
数日間の旅を通じて、優れたバンドの有り様、それがどのように生まれるのかを見識を深めました。吹奏楽活動の多様性や交流の感覚は、私に深い印象を残しました。もし機会があれば、日本の子供たちが中国、特に成都に来て、私たちの学生と直接交流してくれることを心より歓迎します。音楽の交流が、指導者同士のみに留まらず、学生同士にも広がることで、より多様な色彩を放つと信じています。
在我刚刚接触器乐和乐团指导时,Japan Band Clinic和Midwest Clinic就在各种行业前辈老师的口中多次提及。随着我在音乐行业的时间越来越久,对参与到这样的活动越发向往。
在雅马哈乐器音响(中国)投资有限公司的邀请下,成都意林公司的组织下,让我向往已久的JBC之旅成行,而这次前往JBC的最主要目的还是想切身实地的看看日本学生乐团与中国学生乐团的差距与区别、教学体系的差异并与日本各地的老师做一些简单的交流,寻找能够改善自身的方式与优秀的经验。
这次全程参与JBC,给我印象最深刻的是中国与日本音乐基础教育的差别,日本的学生乐团对音乐各类基础知识的融合十分深入,相较于国内相对独立的乐团课程,每一个学生的音乐基础知识都十分丰富,并且能将唱、跳、律动等多种元素,非常顺畅的融入到乐团课程中,学生的热身训练非常充足,吹乐器反倒不是最重要的部分,通过做体操,唱歌,吹牛奶盒子等等来训练身体的记忆,加深对音乐的想象。科学的教学法以简单的方式来呈现,趣味性很强,学生就不容易感到枯燥。让乐团真正成为了学生音乐基础教育的一部分,把音乐教育实施的多样性进行了非常好的体现,这其实也是中国与日本学生乐团的最大区别。
而在乐团每周的学习时间上,日本的小学生会比我身边的学生多50%的时间进行练习,而在我看来,练习时间的增多并不是水平差异最主要的原因,更重要的是学生学习的效率。这次能够看到日本的小朋友自主学习能力非常强,利用碎片时间分小组的自主练习,几分钟完成讨论,立刻开始有目的的自主练习,同时不受环境影响,即便身边几米远就有其他科目的同学在进行其他内容。这是国内的学生少有能做到的。
几天的行程,我的感触很深,见识到了优秀的乐团是什么样的,也了解到了优秀乐团是如何诞生的,乐团活动的多样性、交流感都给我留下了深刻印象。如果有机会,十分欢迎日本的孩子们能够来到中国,来到成都,让我们的学生也能够切身实地的交流与学习,让音乐的交流不止是老师之间,相信学生之间的交流能够迸发出更加多样的色彩。
中国 四川 成都
孙玉芳
2024年6月
蒋仲杰先生(台湾)
JBC活動に参加できたことを非常に光栄に思います。幼少期から管楽器を学んできた私にとって、「日本の吹奏楽」は常に台湾を30年先行する模範であり続けました。私や周囲の同級生、教師たちは日本の吹奏楽管の成果・訓練・教材に強い好奇心を抱いていました。
台湾のヤマハは、かつては台湾の吹奏楽指導者をJBCに招待していましたが、感染症の影響によりこの伝統は断たれてしまいました。私は、実践大学音楽学部の宋正宏教授の推めを受け、2024年のJBCに参加する幸運に恵まれました。音楽学部を卒業後、台湾で教鞭を執り、演奏活動を行い、吹奏楽関連の事業に従事してきた私にとって、日本の吹奏楽は、強い興味の対象であり、それが私を参加に至らしめました。
今回のJBC体験は私にとって大変貴重なものとなりました。初めてこの種の活動に参加し、その全体的な構成や細部にわたる配慮に大変感銘を受けました。事前の講座の計画や講義内容、会場の準備は非常に充実していました。各都道府県からの作曲家、指導者、楽団経営者、教師たちが集まり、詳細な事柄について議論や交流を行うことは非常に意義深いものでした。台湾でも同様の活動はありますが、多くは音楽会や演奏形式であり、音楽指導の細部について長時間にわたり意見を交換することは難しいです。
JBCで毎日開催される音楽会が特に気に入りました。音楽会の鑑賞を通じて、毎日のクリニックの内容と自分の考えを沈殿させ、融合させることができました。各学校の練習方法と成果が音楽会で十分に発揮されていました。
今回の活動で、岡山学芸館高等学校吹奏楽部のパフォーマンスが特に印象的でした。彼らは正確なリズム、音程、曲目の高い完成度で、各楽曲の深さと精髓を見事に表現しました。埼玉県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部の演奏で最も感銘を受けたのは、《エルザの大聖堂への行進》です。金管楽器の演奏者がステージの両端に配置され、金管楽器の輝かしい音色が観客の耳に直接届き、この曲に対する私の過去の記憶を一新しました。厚みのある低音が明るい木管楽器の音色を引き立て、まるでパイプオルガンのような音色を聴くことができました。このような管楽器アンサンブルの音色は、これまでに聴いたことがありません。楽団が楽曲の背後にある物語の悲劇的な張力を最大限に引き出し、感情が頂点に達したとき、ローエングリンの無念と後悔の悲劇的な情景がより一層深く感じられました。
千葉県習志野市立東習志野小学校吹奏楽部のパフォーマンスも非常に感動的でした。音程やフレーズに少々のミスが見受けられたものの、全体の完成度は非常に高かったです。台湾の学生音楽コンクール全国大会の基準で評価するならば、間違いなく特優第1位に値します。その背後にある指導内容には、非常に多くの努力と工夫が凝らされています。彼らが最後に「音楽、夢、希望」のプラカードを掲げたとき、私は感動のあまり涙が溢れました。演奏そのもののみならず、私に自分の幼少期の情熱を思い起こさせてくれたのです。彼らもこの夢を持ち続けて歩んでいくことを願っています。
今回のJBC体験を通じて、日本の管楽教育の体系的な実行力に深く感銘を受けました。これは、財政的支援や各都道府県吹奏楽連盟の長年にわたる体系的な管理と学校への支援の賜物でしょう。近年、日本政府はクラブ活動の練習時間を制限し、少子化の影響も受けていますが、体系的な教材と効率的な練習方法を継続し維持さえすれば、日本の管楽器は引き続き世界をリードし続けると信じています。
今回のJBC活動への参加は、私の専門知識を豊かにし、管楽教育に対する理解と新たなインスピレーションをもたらしました。すべての参加者と組織者に感謝します。今回の活動を通じて、多くの作曲家と知り合う機会を得たことで、日本と台湾の楽団間の架け橋になることができました。将来的には、二国間の交流活動をさらに推進するという目標を達成するために努力したいです。
能夠參加JBC這個活動,我感到非常榮幸。對於從小學習管樂的我來說,「日本管樂」一直被視為超越台灣30年的典範,這也使得我和周圍的同學、老師對於日本管樂的成果、訓練及教材充滿了濃厚的好奇心。
台灣的YAMAHA過去經常邀請台灣的管樂指導者參加JBC,但由於疫情,這個傳統中斷了。我非常幸運,因為實踐大學音樂學系宋正宏教授的推薦,得以參加2024年的JBC活動。作為音樂系畢業後一直活躍於台灣教學、演奏及管樂器相關事業的我,對日本管樂的高度興趣促使我參加了這次的活動。
這次JBC的經驗對我來說非常寶貴。第一次參加這樣的活動,我對其整體安排和細節充滿了高度讚賞。事前的課程規劃、講義內容及場地都非常完整。而來自各都道府縣的作曲家、指導者、樂團經營者和老師們聚集一堂,就每一個細節和課程進行討論和交流,這種深入的經驗交換非常有意義。雖然台灣也有類似的活動,但多數以音樂會和演出的形式進行,難以在音樂指導的細節上進行長時間的意見交換。
特別喜歡JBC每天安排的音樂會。透過音樂會的聆賞,我可以將每天的課程內容和自己的想法在音樂會中沈澱、融會貫通。每間學校的練習方式和成果都在音樂會上得以充分展示。
在此次活動中,岡山學藝館高等學校吹奏樂部的表現讓我印象深刻。他們以精準的節奏、音準和曲目的高完成度,將每一首樂曲的深刻和精髓表現得淋漓盡致。而埼玉縣立伊奈學園綜合高等學校吹奏樂部的演出中,最令人讚賞的是《Elsa’s Procession to the Cathedral》。銅管樂手們安排在舞台前端兩側,讓銅管的輝煌音色直接傳入觀眾耳中,徹底改變了我對這首樂曲的記憶。厚實的低音襯托著清亮的木管聲,我彷彿聽到了整個樂團發出如管風琴般的音色,這種難以言喻的管樂團音色是我從未聽過的。樂團將樂曲背後故事的悲劇張力拉到最大,情緒達到頂點時,彷彿可以聽見在璀璨充滿光輝與希望的未來背後,讓Lohengrin的無奈與悔恨更加深刻。
千葉縣習志野市立東習志野小學校吹奏樂部的表現也讓我非常驚艷。儘管能聽到一些音準和樂句的小瑕疵,但整體完成度極高。以台灣全國學生音樂比賽決賽的標準來看,他們絕對是特優第一名。老師們在背後的指導和編排無庸置疑,付出了大量心血。當他們最後舉起「音樂、夢、希望」的牌子時,我感動得熱淚盈眶,不僅是因為表演本身,更因為他們讓我想起了自己孩提時代的熱情,願他們能保持這樣的夢想繼續走下去。
這次的JBC經驗讓我深刻感受到日本管樂教育的系統化及其卓越的執行力。這當然要歸功於財團的支持以及各都道府縣吹奏樂協會多年來的系統化管理和對學校的支持。儘管近年來日本政府對社團練習時間有所限制,且面臨少子化的挑戰,但只要能持續貫徹和維持系統化的教材和高效的練習方式,相信日本的管樂仍能持續引領世界潮流。此次參與JBC活動不僅豐富了我的專業知識,還讓我對管樂教育有了更深的理解和新的啟發。感謝所有參與者和組織者的辛勤付出。透過本次活動有幸認識了許多作曲家,這使我有機會成為日本與台灣樂團之間的橋樑。未來,如果有機會我將致力於促進兩國管樂的交流活動,並努力實現這一目標。
台灣教育部樂器銀行專案經理 蔣仲杰
呂瀚章先生(マカオ)
まず、簡単に自己紹介させてください。私は呂瀚章(Hugo)と申します。マカオ出身のサクソフォーン奏者であり、マカオ吹奏楽協会の理事を務めると同時に、マカオ培正中学吹奏楽団を指揮しています。
マカオの吹奏楽の発展は日本に比べてかなり遅れていますが、培正中学はマカオで最早期に吹奏楽団を設立した学校のひとつです(吹奏楽団は1993年秋に梁健行先生によって創設されました)。私自身もこの学校に在籍し、ここで初めて吹奏楽に触れました。
現在、楽団には約70名のメンバーがいます。ジュニア(小学生)とシニア(中学生)の2つのバンドがあり、練習時間は週に2回、水曜日の昼(約45〜60分)と土曜日の午後(約2時間)です。また、土曜日の練習前に、各楽器セクションの生徒たちに講師をつけて分部練習を行っています(約2時間)。
JBC(Japan Band Clinic)の活動については、以前から耳にしていましたが、外国人も参加できることを今年初めて知りました。マカオの吹奏楽の発展は他国や地域に比べて遅れており、これまでは厳格かつ正しい吹奏楽指導が行われていませんでした。すなわち、体系的な吹奏楽指導を深く理解したかったことが、これが私がJBCに参加した最大の理由です(この場をお借りして、JBC参加に際しての黒川圭一先生の手助けと通訳に感謝の意を表します)。
JBCの感想
日本の吹奏楽団のレベルとトレーニングの質は世界的に有名であり、詳細に述べる必要はないでしょう。今回、ようやく現場でその素晴らしさを体感することができました。例えば、小学校吹奏楽団の全員が暗譜で演奏する様子を見て、先生方と指揮者の熱心な指導を実感しました。
指揮者として、またバンドの管理者として、吹奏楽イベントや活動の準備の大変さは十分に理解しています。JBCでは、大量の出演者や参加者を相手に、3日間のコンサートとクリニックすべてがスムーズに運営されていました。JBCの主催者には心から感謝します。唯一の提案としては、楽器や楽譜を販売するブースの営業時間をもっと長くしてほしいということです。3日間のすべてのワークショップとコンサートに参加すると、ブースを見て回る時間がほとんどありませんでした。
日本のバンドとの交流について
マ カオ吹奏楽協会は2019年から「マカオ・日本吹奏楽祭」を開催し、日本のスクールバンドをマカオに招待して、地元の中学校吹奏楽団と交流演奏を行ってきました。しかし、感染症の影響で3年間の中止を余儀なくされ、幸運にも昨年2023年末にようやく再開することができました。日本の八王子高等学校吹奏楽団を招待し、マカオ・ユース吹奏楽団と共演しました。近い将来、マカオのスクールバンドが訪日し、日本の生徒たちと交流できる機会を持てることを願っています。
先容許我簡短自我介紹一下,我叫呂瀚章- Hugo, 是來自澳門的薩克管演奏家,亦為澳門管樂協會的理事之一,目前擔任澳門培正中學管樂團的指揮工作。澳門的管樂發展比起日本相對慢很多,而培正中學是本地其中一間最早成立管樂團的學校(管樂團於1993年秋由梁健行先生創立),我自己本人也是在這間學校唸書和在這裏開始接觸和學習管樂。
樂團現在大概有70多名成員,有junior (小學)和senior(中學) 兩團,排練時間暫時為一周兩次,逢星期三的中午(大概45-60分鐘) 和逢星期六的下午(大概2小時), 另外星期六的排練前我們會安排導師和各個樂器聲部的同學上課和作分部練習(大概2小時)
有關JBC的活動,我很久以前已經有聽聞過,但我是今年才了解原來可以接受外國人參加。
澳門的管樂發展比起其他國家和地區相對慢,所以在本地我們一直以來都沒有太嚴格和正規的管樂訓練, 這是我參加JBC的最大原因,想再深入了解一下如何有系統地作管樂團培訓工作(在這裏要再次非常感謝黑川圭一先生的幫忙接待和翻譯,我才可以順利參與這次活動)。
對於JBC的感想:
日本的管樂團程度和培訓質素早以聞名於世界,相信不用我在這裏詳細提及,而我這次終於有幸能親身現場感受得到,例如觀賞到活動中其中一場小學管樂團全場背譜的演出,就能看出老師們和指揮對教學的用心。
我想特別指出的是,作為一個指揮和樂團管理者,我非常理解籌備管樂演出/ 活動的龐大工作量和困難,所以我亦特別欣賞和感謝JBC主辦單位, 需要應付如此大量的演出者和參與者,在三天所有演出和工作坊中,我完全沒有看到和感覺得安排有不妥當,每個活動都安排和佈置得非常流暢。
我唯一一個對於活動的小建議就是希望販賣樂器和樂譜的攤位的營業時間可以更長一些,因為如果出席三天活動中所有工作坊和音樂會,基本上沒有太多時間參觀攤位
有關和日本樂隊的交流:
澳門管樂協會在2019年開始舉辦了”澳·日吹奏樂祭”, 邀請日本中學樂團來澳和澳門本地的中學樂團作交流演出,可惜由於疫情關係停辦了3年,活動慶幸能於去年2003年底再次復辦,邀請了日本八王子高中管樂團來澳與澳門青年管樂團一同演出, 希望在不久將來澳門的中學管樂團能有機會到日本和日本的中學樂團作交流。
呂瀚章