SNSでは、これまで何度か言及してきているのですが、私がステージで初めて吹奏楽を正式に指揮した曲は《The Seventh Night of July — Tanabata》でした。日本では《たなばた》として親しまれている、言わずと知れた酒井格先生の作品です。
確か、2002年の埼玉県吹奏楽コンクール高校Dの部、さいたま市文化センターにて。実は、当時はまだ大学生でして、やや予期せぬ形でその機会を得ました。その後、恐らく2007年にも、同じホールにて、母校の定期演奏会で指揮する機会がありました。
今から思えば、それはもう悲惨な指揮/指導をしていました。間違いありません。初めてだったので当たり前なのですが、とにもかくにも経験不足でした。知識も足りませんでした。今、その指導を傍らから見ていたら、きっとイライラしてしまうでしょう。でも、若さ故の、そして初めてが故のパッションあるいはエネルギーみたいなものに溢れていたのもまた事実です。
そして、いろいろメチャクチャではあったけど、私との合奏の時間や本番を共有することで、当時の演奏メンバーたちのより良い音を引き出せていたこと、少しでも充実した時間を過ごせてもらえていたことを願うばかりです。
あのときに比べると、様々に経験も重ね、勉強もして、今はより良い指導者にはなれているはずです。でも、その原点には当時の日々があって、逆にいえば、未熟極まりなかった当時の延長線上に「今」があるのわけです。
その時に指揮した曲が、偶然にも日付を名にし負うに作品だったことで、当時の初心や若気の至り、そして自分の成長を振り返る機会を毎年得られています。本当に幸運なことです。
写真は、2002年に指揮させたもらった学校のすぐ裏の土手から、つい先月に撮った写真です。