昭和の名曲を令和の高校生と

コンサート

第30回栃木県高等学校音楽祭@宇都宮市文化会館にて、下都賀地区3校による合同バンドの客演指揮者として出演する機会に恵まれました。

選んだ曲は、オリヴァドーティ作曲《バラの謝肉祭》。言わずと知れた昭和の名曲です。
以下の2点を選曲コンセプトとしてました。

  • 大編成吹奏楽で演奏してこそ意味のある作品。普段は小編成で演奏している高校生たちなので。
  • (現代の)吹奏楽コンクールでは演奏されないような種類の作品。コンクール的でない作品にも素晴らしい作品はいろいろとある。

私自身も、この曲を本番で指揮したのは初めてのこと。実際に取り組むなかで、名曲たる所以が改めてよく分かりました。

  • クラシック音楽の気風を湛えた上品な作風
    • 吹奏楽がまだ屋根のないところで演奏されることのほうが多かったであろう1947年。フルスコアを眺めていると、ヴィオラやチェロの譜ヅラが浮かび上がってくる
    • オペラ序曲を思わせるような展開
  • 和声とフレーズがリンクしていて心地よい。セカンダリー・ドミナントで色合いが変わるところにフレーズの重心が来る
  • スクールバンドにも演奏しやすい難易度
    • とはいえ、「中学生が最初に演奏する曲」としては難しすぎ(と令和の視点では感じる)
    • クラリネットの音域がやや高めに寄っていることにも時代を感じる
    • 高校生の合同バンドが2回のリハで演奏するにはちょうどよかった

というわけで、僅か2回のリハーサルでしたが、フレージングやアゴーギク、息のスピードによる音色の変化など、細部にまでかなりこだわって演奏を組み立てていきました。

本番は音楽祭の終盤。客席には1000人を超えるであろう聴衆がいるかなでの演奏となりました。高校生の皆さんは、本当に実に高い集中力を発揮し、所与の条件下では、かなり密度の濃い演奏ができたのではないかと自負しています。
曲の最終盤は、それこそクラシック的なアプローチで、楽譜にない「ancora poco a poco accel. al fine」(再び、終わりまで少しずつ加速)をかけ、最後のフェルマータでは、オペラ的な雰囲気もイメージしてティンパニ(とスネアドラム)に派手にクレッシェンドをリクエスト。結果、本番で曲が終わるやいなや会場から大きな拍手が沸きおこりました! 高音祭という場でこれほどの客席が沸くとは想定しておらず、指揮台で驚いてしまったほどです(笑)。

リハーサルの中には、軍楽や屋外での演奏を通じて発展した吹奏楽の歴史が、テレビやラジオすらなかった時代における「音楽メディア」としての吹奏楽の役割なども雑談として紹介しました。高校生によい音楽体験をしてもらうことを目指したのは当然ですが、同時に、時代を繋ぐ機会にもなったのであれば、文化的にも意味のある時間になったのであれば大きな喜びです。

令和の高校生が演奏する昭和の名曲。素晴らしい形で終えることができました!

スペシャルコンサートで編曲作品も

今回は、30周年の記念スペシャルブラスアンサンブルコンサートがお昼休みに開催されました。

そのときに、何と私の編曲《ガーシュイン・イン・ブラス》を演奏してくださったとのこと。演奏者も様々に活躍している方々ばかり! このことを知ったのが当日午後になってからで、聴けなかったのがとても残念! でも、このような場で取りあげてくださったことがまず嬉しいです!

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